カーテン物語……カーテンとマンションの巻……月に2回位のペースで来てくれる人で、いつもと同じきっちりした服装をしていた。ただ、いつもと違うのは女性を連れている事であった。前に2度くらい連れてきた事があった。「おい。あるじ。本当に今日はラーメンが無いのか」ドスの利いた声でそう話しかけて来た。何回聞いてもそのドスの利いた声は怖かった。

「いえ。あれはその、………ユーモアでして。見ての通りこの辺りは、御用納めが済んでいまして。ただ今日は急に友人来ると言い出して、私どもの仕込みが出来ていないものですから、そういう風に、書いただけでして………」「それで出来るの、出来ないの。はっきり言ってくれ」

「ああっ、それは何とかなります。というよりは何とかします」「ああっ。何とかしろ。見ての通りだからな。せっかく美味しいラーメンを食べさせようと思って連れてきたんだから」私が必死になって作っていると、その男性が、「おい。あるじ。おまえ餃子はどうした。昔は作っていたじゃないか。俺は、あの餃子が食べたいんだが。もう作らないのか」

「ええ。今のところは予定には入れていませんが」そう答えたが、私はドキッ、とした。昔、確かに妻がいる頃は、餃子を作っていた。その餃子が食べたいらしい。またひとりわがままな人が増えるかもしれない事と、その男性がしゃべること自体に、ドキッとしたのであった。さらにその男性は、「ビールでも貰おうかなー」と言い出した。

私は直ぐにビール瓶の栓を抜き、差し出した。するとその男性は、「えっ。俺は貰おうかなー。と言っただけで、もらうとは言ってないぞ。これは、あるじのおごりだな」「ゲェ」と思ったら。その横にいる女性が、「アンタ」と言った。まるで鶴の一声であった……ダイレクトをカーテンで行う、に続く。